壮絶、拒食症

19歳のときに体の異変を感じた。

食事をしていると気持ちが悪くなる。すごく恐ろしい感覚だった。

 

バイトの帰り友達と食事に行く、また気持ちが悪くなり注文したものを

食べれない。若かった私はとても恥ずかしいと思っていた。

 

段々とその症状が強くなり食べ物を飲み込むのが辛くなってくる。

 

そして、食べたものを吐くようになってきた。

 

嘔吐するということもものすごい恐怖になっていく。

 

そんな症状が続いたあと病院で検査を受けることになった。

しかし、数件病院を受診したがこれといった異常はみつからず、それと同時に

異常がみつからないのに気持ちが悪くなってしまうのが若い自分にはわけがわからなかた。

 

そのころから他人と食事をするのが怖くなってくる。

食事中に突然嘔吐したらどうしようと心が不安になってくる。

 

そのうち、食事中だけでなく電車の中などの人目に触れる密閉空間も吐いたらどうしようと思い、苦痛となってくる。就職試験で銀座駅にいったときもいろいろな不安で友人に介抱してもらった。

 

専門学校のヨーロッパ旅行もいくべきか迷ったけど、ほぼ食事をとらない方法をとり参加したが楽しかった思い出はできなかった。

一度、精神科にいったこともあった。たしかこれといった治療やアドバイスは無く

精神安定剤をもらった。その薬をしばらく飲んでいたが効き目があったのかどうかもあまり記憶にない。

 

良い方向に向かい始めたのがスポーツジムに通いはじめてからだ。

 

ジムにいって体を動かすとほんとに気分がいい。仕事が午後からのことが多かったので仕事前にジムにいってから出社すると調子がよかった。

 

私は幼いころから野球、バスケットなどのスポーツを長年やってきた。体の不調を感じ始めたときは全く運動をせずに、不健康なことばかりやっていた。

 

これだ!!と思った。

 

規則正しい生活と運動を組み合わせる。みるみる体調がよくなり少しずつ不安もなくなっていった。そんな期間中にたまたまいった病院の先生にずっと拒食症だと相談した。その先生は私をとても安心させてくれた。

 

「食べないと太らないから病気にならなくていいじゃん。これを食べると大丈夫とかきめるといいよ。」

 

このアドバイスが的確ではないと思うけど当時の私は心が楽になった。

 

それとそのときもらった胃薬が抜群にあった!

 

それから運動とこの薬で体調がすごくよくなった

 

 

食べたら吐くというトラウマはなかなか消えないけれど、いつでも体調をベストにしておくことで、安心できた。そのトラウマを忘れるために少しでも長く吐かない期間、気持ち悪くならない期間を長く伸ばすことを意識した。

 

30歳を過ぎる頃には吐くことへの恐怖がだいぶ治っていった。

 

本来は楽しいはずの20代を何も楽しめなかったと思っている。だけど、悔やんでも仕方ないし、失敗の人生とは思っていない。

 

同じ病気で悩んでいる人にアドバイスをできるとは思っていないけど、寄り添うこと話しを聞いて同調することはできる。

 

苦しんで苦しんで苦しんだけど、経験が人を育てる。

 

この経験を発信できるSNSの時代になってより深くそう思うようになった。